サイト階層の深さがSEOに与える影響【トップから3クリック以内を目安に】
SEOにおいて、ディレクトリ階層の深さは影響がないとされていますが、「トップページから何クリックで到達するか」というリンク階層の深さは、なるべく浅い方が有利とされています。
「トップページから3クリック以内で到達できるかどうか」が感覚的な目安です。
GoogleのJohn Mueller氏は「URLの階層構造よりもトップページからそのURL構造のに到達するまでのクリックされる回数が重要」と発言しており、Gary Illyes氏も「ルートから離れるほど重要度が下がる」と述べています。
つまり、階層が深いほどSEOにおいては不利に傾向があるということです。
この記事では、サイトの階層構造がSEOに与える影響と、具体的な改善方法を解説します。
SEOではリンク階層の深さはなるべく浅くするのがおすすめ
SEOにおいて、ディレクトリ階層の深さは影響がないとされていますが、「トップページから何クリックで到達するか」というリンク階層の深さは、なるべく浅い方が有利とされています。
「トップページから3クリック以内で到達できるかどうか」が感覚的な目安です。
※あくまで目安です。
「3クリック以内」や「4階層以内」といった具体的な数値は、Google公式見解で明確に裏付けられているわけではないことも理解しておきましょう。
サイトの階層には以下の2つがあります。SEOで重要とされているのはリンク階層の方です。
- ディレクトリ階層
example.com/blog/seo/hierarchy.html(URL上の階層) - リンク階層
トップページから何クリックで到達するか
※例えば、URLは深くても、トップページに内部リンクがあれば「1クリック」でアクセスできます。
GoogleのJohn Mueller氏は「URLの階層構造よりも、クリックでたどり着けるかが重要」と発言しており、Gary Illyes氏も「ルートから離れるほど重要度が下がる」と述べています。
リンク階層が深いページは、以下のような不利な状況に陥りがちです。
- クローラーによる発見が遅れる
- 重要度が低いと判断されやすい
- ユーザーがアクセスしにくい

ただし、階層が深いからといって絶対に順位が上がらないわけではありません。
コンテンツの質や他のSEO要素の方が重要な場合も多く、階層の最適化はあくまでSEO対策の一つとして考慮すべき要素です。
なぜリンク階層(クリック数)の方が重要なのか
リンク階層が重要な理由は以下の通りです。
▼ リンク階層が重要とされる理由
- クローラビリティ
- ユーザビリティ
まず、クローラビリティの観点から見てみましょう。
Googleは、クローラーを使いリンクを辿ってページを発見します。 そのため、クリック数が少ないページほど早く発見されやすくなります。
次に、ユーザビリティの面でも重要です。
少ないクリックでアクセスできるページの方が、ユーザーにとって使いやすく、離脱率も低い傾向にあります。
ユーザーにとって使いやすいサイトは、Googleからの評価も高くなりやすいです。
内部リンクに関してもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
【公式見解】Googleのエンジニアはなんて言っている?
実際のGoogleエンジニアの公式発言を紹介します。(本当のことを言っているかどうかはわかりませんが、参考にはなると思います。)
John Mueller氏「URLの階層構造より、何クリックで到達できるかが重要」
Google Webmaster Central hangoutで、John Mueller氏はこんな発言をしています。
URLのスラッシュの数は重要ではない。重要なのはホームページから何クリックでそのページに到達できるかです。
参考:Google: Click Depth Matters More for SEO than URL Structure
つまり、/blog/seo/hierarchy.htmlのような深いURL構造が良くないという話ではなく、「何クリックで到達できるか」の方が大事ということですね。
Gary Illyes氏「ルートから離れるほど重要度が下がる」
SMX AdvancedでのGary Illyes氏の発言は、階層の深さがクローリングに与える影響について明確に述べています。
ルートからの距離が離れれば離れるほど、Googleが発見するのに時間がかかる。ルートから離れていると、それほど重要ではないというシグナルになる。
※参考:The Importance of URL Structure According to Google
つまり、トップページからの距離が遠い=階層が深いページはクローラーによる発見が遅くなり、重要度も低く判断される傾向があるということです。
このことから、リンク階層が深いページは発見されにくく、重要度も低く判断される傾向があるため、できるだけ階層を浅く保つことが効果的と考えられます。



ただし、これは必ずしも絶対的なルールではなく、他のSEO要素(コンテンツの質、被リンク、技術的な最適化など)と組み合わせて総合的に判断されることを覚えておきましょう。
無料でリンク階層をチェックする方法【おすすめはScreaming Frog SEO Spider】
ここでは、自分のサイトの階層をチェックする方法を解説します。
まずは現状把握から始めましょう。
無料でトップページからの階層の深さをチェックするには、Screaming Frog SEO Spider(無料版)がおすすめです。
使い方は簡単で、Screaming Frog SEO Spiderをインストールし、以下の手順で進めるだけです。
- サイトをクロール
- 「Internal」タブで階層深度を確認
- 階層が深いページを特定
詳しい使い方は【無料】Screaming Frogで内部リンクを徹底調査する方法で解説していますので参考にしてみてください。
リンク階層を浅くする具体的な改善方法
チェックが完了したら、改善に取り組んでいきましょう。効果的な改善方法は以下の通りです。
グローバルナビゲーションの最適化
重要なページには、トップページから直接アクセスできるようにしましょう。
グローバルナビゲーションに主要コンテンツ(サービス、人気記事、重要カテゴリーなど)を配置することで、少ないクリックでアクセス可能になります。
トップページのメインコンテンツエリアからの内部リンク設置
トップページのメインコンテンツエリアに、重要ページへの内部リンクを設置しましょう。
これにより、URLのディレクトリ構造が深くても少ないクリックでアクセス可能になります。
具体的な設置例は以下の通りです。
- 新着記事一覧(ブログ・メディア)
- おすすめ記事・人気記事
- 主要サービス紹介(企業サイト)
- 重要なお知らせやキャンペーン
サイドバー・フッターの活用
各ページのサイドバーやフッターに、重要ページへのリンクを設置します。
これによりサイト全体からのアクセシビリティが向上し、どのページからでも2クリック以内でアクセスできるようになります。
パンくずリストを設置する
パンくずリストの適切な設置も有効です。
ユーザーの移動を助けるだけでなく、クローラーにとっても重要な情報になります。
関連ページ間の内部リンク強化
関連性の高いページ同士をリンクでつなぎ、ユーザーが必要な情報に素早くアクセスできるようにします。 記事間の相互リンクや、サービス間の関連リンクなどが効果的です。
▼ 期待できる効果
- 新しいページのインデックス速度向上
- ユーザーの回遊率アップ
- サイト全体のSEO評価向上



階層の最適化だけに固執する必要はありません。
コンテンツの質やユーザーにとっての価値を最優先に考え、その上で階層構造も改善していくバランスの取れたアプローチが重要です。
内部リンクをチェックするツールや調べ方については内部リンクの調べ方とは?SEO効果を高める分析方法とツールを解説で詳しく紹介しています。
内部リンクを可視化したい方は、【無料】内部リンクを可視化・管理できる内部リンクチェックツールが便利です。
戦略的なコンテンツ配置についてはトピッククラスターでSEO効果を最大化する戦略・作り方は?事例も紹
まとめ
この記事のポイントを、リスト形式でまとめました。
▼ 今すぐチェック
- 自分のサイトの階層深度を確認(Screaming Frogで)
- トップページから3クリック以内に到達できないページを特定
- 重要ページへの内部リンクを追加などにより、トップページから3クリック以内で到達できるように調整
▼ 継続的に取り組むこと
- 新しいページは、トップページから3クリック以内になるべく配置
- パンくずリストの設置・改善
- Google Search Consoleで定期的にクロール状況をチェック
- リライト時に内部リンク調整作業を行う
ページの階層の最適化は、一度やれば終わりというものではありません。 サイトが成長するにつれて、継続的に見直していくことが大切です。



ただし、階層を気にしすぎてコンテンツの質や情報の整理が疎かになってしまっては本末転倒です。
まずはユーザーにとって価値のあるコンテンツ作りに注力し、その上で階層構造の改善も並行して進めていきましょう。