内部リンクにnofollow属性は不要?Google公式見解と正しい対応方法を解説
「内部リンクにnofollow属性を設定すべきかどうか迷っている」という方に向けて、結論から先にお答えします。
内部リンクにnofollow属性を設定する必要はありません。
この答えはGoogle公式見解とMatt Cutts氏(元Google検索品質チーム責任者)の明確な発言に基づいています。むしろ、内部リンクにnofollowを設定することで、SEO効果が低下してしまう可能性があります。
この記事では、なぜ内部リンクにnofollowが不要なのか、誤解が生まれた背景、そして正しい内部リンク最適化の方法まで詳しく解説していきます。正しい知識を身につけて、自信を持ってサイト運営を行っていきましょう。
- 内部リンクnofollowが不要な明確な根拠
- nofollowの本来の目的と正しい使い方
- 誤解が生まれた歴史的背景
- 効果的な内部リンク最適化手法
- よくある設定ミスと対処法
【結論】内部リンクにnofollow属性は設定不要
内部リンクにnofollow属性を設定する必要はない、というのが正解です。
この結論は推測や憶測ではなく、Google公式見解と業界の権威ある専門家の発言に基づいています。
Google公式見解とMatt Cutts氏の明確な回答
Matt Cutts氏(元Google検索品質チーム責任者)は、「内部リンクにnofollowを使うべきか?」という質問に対して明確に「NO」と回答しています。
Matt Cutts氏の公式発言では、「内部リンクは自分のサイト内のコンテンツ同士をつなぐものであり、信頼できないコンテンツへのリンクとは性質が根本的に異なる」ということが説明されています。
また、Google公式ブログにおいても、内部リンクでのnofollow使用を推奨する記載は一切ありません。
内部リンクnofollow設定が不要な3つの理由
内部リンクにnofollowが不要な理由は以下の通りです。
1. 自サイトコンテンツの信頼性を否定することになる
自分で作成したコンテンツに対してnofollowを設定するのは、そのコンテンツの価値を検索エンジンに対して否定することと同じです。これでは本末転倒ですよね。
2. リンクジュースの流れを阻害する
内部リンクは重要なページにSEO評価を集約する役割があります。nofollowを設定すると、このリンクジュースによるSEO効果が失われてしまいます。
3. クロール効率が低下する
検索エンジンのクローラーは内部リンクを辿ってサイト内を巡回しています。nofollowがあると、効率的なクロールが妨げられる可能性があります。
誤設定によるSEOへの悪影響
内部リンクにnofollowを設定してしまうと、以下のような悪影響が生じる可能性があります。
- 重要なページへのSEO評価の移転が阻害される
- サイト全体のクロール効率が低下する
- 関連ページ間の連携が検索エンジンに正しく伝わらない
これらの影響は、長期的にサイト全体のSEOパフォーマンスを低下させる要因となってしまいます。
nofollowとは?基本知識と本来の目的
内部リンクでのnofollow不要論を理解するために、nofollowの本来の目的と変遷を確認しておきましょう。
nofollow属性について正しく理解することで、どのような場面で使うべきかが明確になります。
nofollow属性の基本概念と役割
nofollow属性とは、「rel=”nofollow”」として設定するHTML属性です。2005年にコメントスパム対策として導入されました。
本来の目的は、信頼できない外部サイトへのリンクに対して「このリンクを検索エンジンが評価の対象としないように」と伝えることでした。ブログのコメント欄や掲示板に投稿される悪質なリンクを無効化するための防御機能だったのです。
つまり、nofollowは外部の信頼できないコンテンツを対象とした機能です。自サイト内の内部リンクを想定したものではありませんでした。
2019年の仕様変更「命令」から「ヒント」へ
Googleは2019年9月にnofollow属性の仕様を大幅に変更しました。
従来はnofollowが設定されたリンクを完全に無視していました。しかし、2020年3月以降は「ヒント」として扱うようになっています。
これは、Googleがリンクを評価するかどうかを最終的に判断するという意味です。
変更前(2005-2019年) | 変更後(2020年-現在) |
---|---|
命令として完全に無視 | ヒントとして参考程度に扱う |
リンク先への評価移転なし | Googleが判断して評価移転の可能性あり |
この変更により、nofollowの効果は以前よりも限定的になっています。
新しい属性値(sponsored・ugc)との使い分け
2019年の変更と同時に、以下の新しい属性値が導入されました。
- rel=”sponsored” – 広告やアフィリエイトなどの有料リンク
- rel=”ugc” – ユーザー生成コンテンツ(コメント、フォーラム投稿など)
これらの属性値は、Googleがリンクの性質をより正確に理解するためのものです。基本的には内部リンクではなく、特定の外部リンクに対して使用します。
なぜ内部リンクにnofollowを設置すると良いという誤解が生まれたのか
この誤解が広まった背景には、SEO業界の歴史的な経緯があります。
過去のSEO手法と現在の状況の違いを理解することで、なぜ間違った情報が流布されたのかが見えてきます。
PageRankスカルプティングの誤った理解
2009年以前は「PageRankスカルプティング」という手法が存在していました。
これは、サイト内の重要でないページへの内部リンクにnofollowを設定することで、重要なページにより多くのPageRankを集中させようとする手法でした。
当時はこの手法に一定の効果があったとされています。
しかし、Googleは2009年にこの手法を無効化しました。現在では、内部リンクにnofollowを設定してもPageRankの配分を操作することはできません。
にもかかわらず、古い情報が修正されないまま現在でも流布され続けているのが現状です。
クロール最適化への間違った考え方
「クロールバジェットを節約するために、重要でないページへの内部リンクにnofollowを設定すべき」という考え方も誤解の一つです。
適切なクロール制御は以下の方法で行います。
- robots.txt – クロールを完全に拒否したいページ
- noindex – インデックスを避けたいページ
- 内部リンク構造の最適化 – 重要なページへの適切なリンク配置
内部リンクのnofollowはクロール最適化の手段として適切ではありません。
nofollowを正しく使うべき3つの場面
nofollowが真に必要な場面を正しく理解しておきましょう。
これらの場面を把握することで、内部リンクと外部リンクの違いを明確に使い分けられるようになります。
信頼できない外部サイトへのリンク
1つ目は、信頼できない外部サイトへのリンクです。
以下のような外部サイトへリンクする際にnofollowを使用します。
- 情報の信頼性が確認できないサイト
- 運営者が不明なサイト
- 内容が頻繁に変更される可能性があるサイト
- 自サイトとの関連性が低いサイト
ただし、権威ある公式サイトや学術機関、政府機関などの信頼できるサイトへのリンクにはnofollowを設定する必要はありません。
有料広告・アフィリエイトリンク
アフィリエイトリンクや広告などの商用リンクには適切な属性設定が必要です。
<!-- 推奨される設定例 -->
<a href="https://example.com/product[アフィリエイトリンクなど]" rel="sponsored nofollow">
おすすめ商品はこちら
</a>
Googleガイドラインでは、有料リンクにはrel=”sponsored”の使用が推奨されています。
nofollowとの併用も可能です。
ユーザー生成コンテンツ(コメント・フォーラム)
ブログのコメント欄やフォーラムの投稿に含まれるリンクには、rel=”ugc”またはrel=”nofollow”を設定します。
これらのコンテンツは管理者が直接コントロールできないため、スパムリンクの混入を防ぐ目的で設定します。
内部リンク最適化の正しい方法
nofollowに頼らない、効果的な内部リンク最適化手法を解説します。

リンクジュースを効果的に流す設計方法
内部リンク構造を戦略的に設計することで、重要なページに適切にSEO評価を集約できます。
▼効果的な内部リンク構造のポイント
1. トップページから重要ページへの直接リンク
最もSEO評価の高いトップページから、重要なカテゴリページや主力商品ページへ直接リンクを設置しましょう。
2. 階層構造の最適化
重要なページほど浅い階層に配置し、多くのページからリンクが集まるよう設計することが大切です。
3. 関連ページ間の相互リンク
テーマが関連するページ同士を適切にリンクで結び、トピッククラスター構造を構築しましょう。
アンカーテキストの最適化戦略
アンカーテキスト(リンクテキスト)の最適化により、リンク先ページのSEO効果を高められます。
良い例 | 悪い例 |
---|---|
内部リンクのSEO効果を高める方法 | こちら、詳細はこちら |
WordPressのSEO設定ガイド | 前の記事、関連記事 |
リンクジュースによる順位向上手法 | URL、リンク |
アンカーテキストには、リンク先ページのターゲットキーワードを自然に含めることが重要です。
robots.txtとnoindexによる適切なクロール制御
内部リンクのnofollowに頼らない、正しいクロール制御方法は以下の通りです。
▼robots.txt での制御
User-agent: *
Disallow: /admin/
Disallow: /temp/
▼noindex での制御
<meta name=”robots” content=”noindex, follow”>
これらの手法により、検索エンジンのクロール効率を最適化できます。
よくある間違いと対処法
実際によく見られる内部リンクnofollowの設定ミスと、その対処法を解説します。
WordPress等のCMSでの誤設定パターン
WordPressなどのCMSでは、以下のような誤設定が見られます。
▼よくある誤った設定例
- テーマやプラグインによる自動nofollow設定
- カテゴリページやタグページへの内部リンクにnofollow
- 関連記事プラグインでのnofollow自動付与
- パンくずリストへのnofollow設定
これらの設定は、サイト全体のSEO効果を低下させる要因となってしまいます。
設定状況の確認方法と修正手順
設定状況の確認方法と修正手順は以下のとおりです。
▼確認方法
1. Chrome拡張機能での確認
「NoFollow」や「SEO META in 1 CLICK」などの拡張機能で、ページ内のnofollowリンクを視覚的に確認できます。
2. ソースコード確認
ブラウザの開発者ツールでHTMLソースを確認し、rel=”nofollow”の記載をチェックしましょう。
3. SEOツールでの一括確認
内部リンク可視化ツールLYNXやScreaming Frog SEO Spiderなどのツールで、サイト全体の内部リンク状況を確認できます。
▼修正手順
- 内部リンクからnofollow属性を削除
- テーマやプラグインの設定見直し
- 修正後の効果測定と継続的な監視
自分のサイトが間違った設定や意図しない設定になっていないか、ちゃんと確認するようにしましょう。
まとめ:内部リンク戦略でSEO効果を最大化する
内部リンクのnofollow設定について、重要なポイントを整理します。
- 内部リンクにnofollow属性は不要 – Google公式見解とMatt Cutts氏の明確な回答
- nofollowは外部の信頼できないリンク専用 – 自サイト内コンテンツには使用しない
- 誤設定はSEO効果を低下させる – リンクジュースの流れを阻害する
- 正しい最適化手法を実践 – アンカーテキスト最適化と構造設計
- 定期的な設定確認と修正 – CMSやプラグインによる誤設定をチェック
内部リンクは、適切に設計することでサイト全体のSEO効果を大幅に向上させる重要な要素です。nofollowに頼らず、戦略的な内部リンク構造を構築していきましょう。
自サイトの内部リンク状況を確認したい方は、内部リンク可視化ツールLYNXをぜひご活用ください。サイト全体の内部リンク構造を視覚的に把握し、最適化のための具体的な改善点を発見できます。